それぞれの会話のカタチ
白い砂のアクアトープ10話「置き去りの幻」放送。
前回で未来のことを考えたくくるが選ぶのは最後の策の思案。
立ち止まって未来を考えても今のことを諦めきれないくくるのがまがまへ縋る思いが、いつも以上に出ていたように感じます。
今回も気になったことの整理で書いていますのでよかったらよろしくお願いします。
離れるくくる
自分の悩みを打ち明ける風花と別れを想像してその場を去るくくる。
くくるは回を増すごとに閉館の話を誰かに告げられても否定をしなくなっていて、3話で先生に閉館の話をされて強く否定していた姿から、最新話では空也さんの自虐込みで言ったセリフにも反応を示さなくなっています。*1ただ、否定しない代わりに自分の思いに付き添ってくれる人が離れたと感じると、自分から引き離そうとするように8話以降は変化しています。この、自分がそうだと感じたら思い込んでそのまま一人になろうとする感じがくくるの大人になりきれない姿を表しているように感じます。
だからこそ櫂くんの場合は離れてしまうと悲しむくくるに対して、行動を起こして離れないことをそのまま伝えていて、櫂くんなりの会話を感じてすごく好きでした。
考える前に動く櫂くん
非言語コミュニケーションな2人。
9話にてガス抜きのために擬似ミット打ちに付き合っていた櫂くん。この場面で、昔からくくるに何かあったら櫂くんが側にいて支えていたのかなと思うと同時に、相談自体には櫂くんは乗っていなかったのかなと思います。相談に乗るというよりはくくるに考えを整理する時間を与えているような感じ。
だから今回はその領分を超えて何かを伝えようとして、止まってしまっていたんじゃないかなと勝手に思っています。それを今回の幻を通してくくるのために何が出来ていたかを振り返り、支えるための行動にうつる。多分櫂くんからくくるの行動に干渉したことはあまりないのかなと言う風に考えています。どちらかといえば2話の風花に対してみたく裏からサポートしているような。だからくくるにとって櫂くんは自身と同じように捉えていて、誰が自分の計画に賛同してくれるか考えている時も最後まで出て来なかったんじゃないかなと。
どこまでも縁の下の力持ちで、くくるも櫂くんのことを知らないのかと思っていたら、実は櫂くんが幻を見ていたことを知っていたくくる。*2そして、見たはずなのに見ていないと答えた後に間髪入れずにくくるの悲しみを受け止めた櫂くん。くくるの側に居続けてきた時間の長さを感じさせる関係性がすごくよかったです。*3
閉館理由の整理
ここまででくくるの行動を放任しつつも見守ってきたおじい。
そろそろおじいの閉館理由については候補が絞られてきたのでそれぞれまとめて、そう思う理由、違うと思う理由を書いていきます。
1,△スタッフが集まらないから
この可能性を考えたのが1話Cパートの「人手不足なの、バイト募集してるけど中々見つからなくて」。7話の「中は忙しいですか?(空也)」「うん、大丈夫だよ(おじい)」もなんとなく今までのがまがま水族館のスタッフ数に戻って大変そうな姿に感じられて気になっていました。
ただ、この理由は9話の南風原さんの求職者の多さに対しての水族館の募集件数の話が入ったこともあり、おそらく違いそうです。おじいが伝説の飼育員であることが言及され修行のために人が来ることもあり得たので、それが無い時点でもしかしたらバイト募集も閉館を決めていた時点でおじいが止めていたのかもしれません。
2,△お客さんが来ないから
これはくくるがずっと考えているがまがま水族館の閉館理由。
正直7話以降この理由は違うでしょって気持ちにどんどんなるからきついです。7話は初めてお客さんの来場者数がくくるの目標に設定していた日を達成した回、日付で言うと8/8です。実はこの回から10話にかけての全ての日でがまがま水族館の来場者数はくくるの目標としていた人数を達成しています。もし仮に達成したなら閉館は阻止できるはずと考えているくくるですが、その後も閉館中止の話はおじいから出て来ずそのまま今回で8/27(推定)の金曜日を迎えています。
もちろんお客さんが来場する見込みがないので最初から人が人が来ても閉館しようと考えていた可能性もあり得ます。ただ、夏休み前から可能だった集客の方法ががまがま水族館の裏側にあるのでこの考えも違う気がします。その最たるものが7話登場のシンデレラウミウシ。専門外のため詳しくは知らないものの、ウミウシの飼育はかなり難しいとされており、水族館の慣れている人でも1年ほどしか飼育できないほど飼育が高難度とされています。そのウミウシを飼育しつつも集客には用いないあたり、おじいはお客さんを呼ぶことに頓着していないように感じる。
集客の中にあるお金の話も9話にておじいが赤字の水族館を救ってきたという話もあり、集客に本腰を出せば上手くいく気がします。だからこそこの理由は違うかなと。
3,○くくるを縛らないため
これが一番しっくりくる。なんとなく、くくるが高校を卒業したがまがまに就職する以外の道を自ら閉ざしていたからみたいな理由が後から登場しそうな気がします。
これに関しての直接的な言及はほとんどないです。強いて言うなら9話Aパートでの「くくるは他の水族館のこと何にも知らないよね?」あたり。ここで生き物が大好きなくくるが実は他の水族館にあまり行かないことが発覚。10話Bパートでも「(くくるにとって)あそこはうちみたいなとこだからね」という話がおばあからあり、くくるにとってがまがまが残り続けることは気持ちの安定につながると同時に、依存先になってしまっているように感じます。
だからこそ、高校生になったくくるの今後の選択肢を増やすために閉館を選んだとすれば納得はいきます。ただ、おじいの口から閉館に関する話はほとんど出ておらず、先程の話もおばあから出てきた言葉。おじいの真意はいかに。
1クール目は12話編成なら残り2話で閉館理由が登場するはず。ここからの怒涛の展開が楽しみです。
くくるの誕生年
この話をこの回では一番したかった。
風花は2003/5/17生まれ、くくるは平成15(2003)年7/7生まれです。この情報は1話にてそれぞれ登場しており、風花はさつきさんに占ってもらった際に、くくるは母子手帳の記載にて発覚しています。
そして今回くくるがさつきさんに占ってもらった際に記入した生年月日。
2004/7/7、つまりくくるは1年分遅い年を誕生年として記憶しています。
この理由については正直わからないことが多いです。おじい達保護者が何かを隠すためにやっている気はしますが意図は不明。両親がいなくなった理由の細かかな言及はされていないのでそれと何か関係がある?同じ学年じゃないことに驚くのもそうだけど、しれっとこの話を盛り込んできたことには流石に焦りました。
何もわからない多くは語りませんが、気になったこととして一旦まとめておきます。
小ネタ(対比表現まとめ)
今回の10話では今までの話の対比となる表現が確認できる限りで3箇所存在しています。
占い
1話との対比。1話では風化が国際通りでさつきさんに占われており、今回ではくくるがカメーで占われています。
風呂場
2話との対比。1話での風花は逃げてきて中途半端な気持ちで仕事しようとした自分への嫌悪感を、今回のくくるは風花の言葉を待たずに中途半端にその場を去り気持ちが不明のまま。
もしかして、見えてた?
1話との対比。1話では風花に、今回ではくくるに聞いてみます。幻が見えたことを驚く風花と、幻を見ても見ていないといしを持って答える櫂くん。幻の効果は変わらないけど、1話の時とは状況が変わっていることを示唆しているように感じきつかったです。
終わりに
はい久高さんです。
久高さんの「あるよ、悩みくらい」と「だからやめとけって言ったのに」と言うセリフ。くくる達のことを思ってくれているのを感じるし、ちょっと不貞腐れ気味なところもやっぱり良い...。空也さんと離れてお酒を飲んでる場面しか今のところないから早くお酒を飲みあって仲良く語らっている場面を出してください早くお願いします...。
どんどん味方が減っていると考えていそうなくくる。どちらかと言えばくくるが突き放しているような気がします。そんなくくるを支える櫂くんはただただ良い人。
この物語はダブル主人公でいつつもくくるの成長をテーマにしていると感じる節が多くあります。そのくくるを今回で閉館を受け入れる方向に進めたと思ったら11話では籠城作戦開始。色々と混乱する11話の展開、もうすぐの放送が楽しみです。
今回もありがとうございました!
*1:話は逸れるけどここの海やんは、というか話全体を通して海やんは閉館の話には一線を引いて入り込まないようにしています。今できることを精一杯と言うように、現状を維持するための舞台装置な役割を感じる。
*2:
『白い砂のアクアトープ』TVアニメ公式 on Twitter: "🎬 #白い砂のアクアトープ みに🎬
放送終了後は、キャラクターたちが第10話の内容をちょっとだけ振り返り🧭
さらに第11話の見どころもご紹介✨
今回はくくると櫂が担当❗
閉館が目前に迫りながらも、諦めず奔走するくくる🐟🐧
次回は、南城市に台風が迫り……❗❓🌀
https://t.co/TMpy8gpwqY… https://t.co/4X7KC9t2OE"
*3:櫂くんが見えていないと答えた理由はくくるが子供の時と同じで逃避しているように感じたからかなと思っています、思い出に縋り付いているような。くくるに出会った時の過去に縋る姿をそこに見て、前に向かせるために見ていないと嘘をついたのかなと。